【3月末までの登録必要】BIM導入を検討されている方必見!<建築BIM加速化事業について>

国土交通省より、令和4年度2次補正予算において「建築BIM加速化事業」が新たに創設されました。

BIM導入を検討中の方向けに建築BIM加速化補助金についてのメリット、活用方法、補助金獲得のための具体的なアクションプランについて、Vectorworks 専用BIM導入サポート会社である「フローワークス合同会社」の渡邊さんに執筆いただきました。

BIMについて気にはなるけど、なってなかなか一歩を踏み出せない…そんな方も、ぜひこの機会に補助金を活用してBIM設計を始めてみてはいかがでしょうか。

注意!!3月末には事業者登録が〆切られてしまうため、検討中の方はお早めにお手続きをお願いします。

お手続き方法や導入方法についてのご相談はこちらから

参照:建築BIM活用プロジェクト https://bim-shien.jp/wp-content/uploads/2023/02/R4-5_bim_gaiyou.pdf

建築BIM加速化事業とは?

国土交通省は、令和4年度2次補正予算において「建築BIM加速化事業」を新たに創設することを発表しました。国費80億円が中小規模事業者のBIM化に必要なソフトとハード、周辺機器の導入のために配布されます。

 

補助金事業の目的

この事業では、建築現場におけるBIM(Building Information Modeling)の導入を促進することを目的としています。具体的には、BIMを活用した設計・施工の効率化や、建築物の質向上に取り組むことなどが挙げられます。

今まではBIMと聞くと、大企業が導入を進めているイメージがあったと思いますが、いよいよ中小企業のBIM導入にも拍車がかかってくることが予測されます。

補助対象要件

補助金を受けるには、以下4つの要件を満たす必要があります。

全ての対象要件に当てはまるかどうかをチェックしてみてください!

 

チェック1. 建物要件

なによりもまずは、建物要件に当てはまるプロジェクトがあるかが補助金を貰えるかどうかに大きく関わってきます。

建物要件は以下に掲げる要件を満たす必要があります。

※令和5年2月現在でプロジェクトが進行中であっても対象となる可能性があります。

  • 敷地に接する道路の中心線以内の地区面積が1,000m以上であること
  • 延べ面積が1,000m以上であること
  • 地階を除く階数が3以上であること
  • 耐火建築物等又は準耐火建築物等であること
  • 建築物エネルギー消費性能基準に適合すること
  • 公共的通路等を整備すること
  • 原則として土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第9条第1項に規定する土砂災害特別警戒区城外に存すること

 

チェック2. 協力事業者の有無

代表事業者が、協力事業者による建築BIM導入を支援し、建築BIMモデルを作成すること

代表事業者のほかに、少なくとも一社以上の設計又は、施工を行う協力事業者が建築BIMを導入する必要があります。

 

チェック3. 建築BIM活用事業者宣言

本補助事業により補助を受けようとする全事業者が、建築BIM活用事業者宣言を行うこと

こちらの項目は、補助を受けた全事業者が建築BIM活用事業者としてWEBで公開されることに同意するという内容です。

 

チェック4. IFCデータの作成宣言

代表事業者においては、本補助事業の活用により整備する建築物について、維持管理の効率化に資するBIMモデルを整備する旨の宣言を行うこと

こちらの項目は、特定のモデリングレベルやファイル形式でモデルを作成することを宣言するという内容です。

国交省の補助金交付申請等マニュアルでは、4つのデータ要件、ファイル形式のいずれかに該当させるように指示があります。

  1. PLATEAU上におけるLOD4(建物内で歩行空間が認識できるレベル)のオプジェクトの整備に資するIFCデータ
  2. 維持管理ソフトや不動産管理ソフト等にデータを受け渡し又は連携することを想定したIFCテータ
  3. 維持管理の効率化に資するBIMデータとして発注者が指定するIFCデータ
  4. その他維持管理の効率化に資するBIMデータとして発注者が利用可能なデータ形式

 

この1~3に出てくるIFC形式というのは、建築業界でオブジェクトを交換するための標準的なデータフォーマットで各々のBIMCADからIFCデータに取り出すことができます。

 

データ要件、ファイル形式について詳しくはこちらから↓

https://flowworks.notion.site/131d66bbf68d46de97eeaf7acf8ee7fc

 

補助の上限金額は?

補助の上限金額は設計と施工の場合で変わってきます。設計BIMは、1,000㎡以上の場合2,500万円、施工BIMの場合は4,000万円の補助が出ますので、プロジェクトのBIM環境整備の大部分を賄うことができます。

参照:建築BIM活用プロジェクト https://bim-shien.jp/wp-content/uploads/2023/02/R4-5_bim_gaiyou.pdf

 

建築BIM加速化補助金を活用してできること

補助対象かどうかを確認できたら、この補助金を活用して何ができるかを見ていきましょう。

参照:建築BIM加速化事業について https://bim-shien.jp/wp-content/uploads/2023/01/R4-5_bim_kasokuka.pdf

 

1. BIMソフトウェアの利用費

BIMソフトウェアの購入又はリース、サブスクリプション費用を賄う

BIM導入の最初の難関は、BIMソフトの導入費ではないでしょうか。まだどのソフトを使えば良いかもわからない中で大きな費用を投入するにはかなりハードルが高いですよね。。。

そこで、今回の補助金を使うことで、目星のついているBIMソフトを体験することが大きなメリットになります。まずはBIMソフトを使ってみて、事務所に合っているか、これからも使っていけるかなどを確認してから購入を考えてみても良いのではないでしょうか。

※購入の場合ですと、残念ながらプロジェクトに関わる作業分のソフトの価値を按分し、その部分のみ補助対象になります。リースや、サブスクリプションの場合には一年未満の契約の場合は全額補助になります。

補助対象ソフト一覧はこちらからチェックできます。↓

https://bim-shien.jp/wp-content/uploads/2023/02/R4-5_bim_soft_230222.pdf

参照:BioLus https://biblus.accasoftware.com/en/open-bim-what-it-is-and-how-to-put-it-into-practice/

 

2.  BIMソフトウェア関連費

PCのリース、ARゴーグルリース料費を賄う

BIM設計ソフトを使うにはある程度のPCスペックが必要になります。最新のBIMソフトをリースしても、PCが動いてくれなければ意味がありません!

今回の補助金では、PCのリースも補助対象になっていますので、十分なBIM習得環境を整えることができます。

BIMソフトを提供しているベンダーのHPより動作環境をチェックすることができますので、ご自身の事務所で使用を検討されているBIMソフトの動作環境を確認してください。

 

Vectorworks の場合↓

https://www.aanda.co.jp/Vectorworks2023/sysreq.html

 

GRAPHI SOFT Archicadの場合↓

https://graphisoft.com/jp/resources-and-support/system-requirements

 

Revitの場合↓

https://knowledge.autodesk.com/ja/support/revit/troubleshooting/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/System-requirements-for-Autodesk-Revit-2023-products.html

 

また、今回の補助金でARゴーグルなどのリースが補助対象となっていますので、新しいプレゼンテーション方法の検討のためにお試しで使ってみることもできます。

 

3.   CDE環境構築費、利用費

共通クラウド構築費、アクセス費を賄う

BIM設計の効果の一つに、共同設計作業があります。一つのデータを複数人が同時に触って作業をすることで設計の効率は大幅にアップします。共同設計環境をこの機会に構築してしまえば、今後もそのノウハウを社内で生かすことができます。

 

4. BIMコーディネーターの人件費

BIMプロジェクトを管理する人材の人件費を賄う

BIMコーディネーターとは、BIMの利用に関するプロジェクト全体の環境整備や支援を行う人のことです。具体的には、BIMソフトウェアやCDEの選定、建築BIMに関する講習の実施などが含まれます。

BIMを導入する際には、普段の業務に加えてこのBIMコーディネーターとしての仕事が増えることがあり、大きな負荷となります。

このような負荷を軽減するためにも、今回の補助金を使って人件費を賄い、BIMコーディネーターとしての業務に専念できる人材を確保することが重要です。

社内でBIMコーディネーターを選出できない場合は、委託することもでき、その場合は委託料が全て補助対象になります。

※人件費が補助対象となるBIMコーディネーターは原則1名になります。

5. BIMマネージャーの人件費

BIMモデルを管理する人材の人件費を賄う

BIMマネージャーは、各事業者が作成したBIMモデルの管理など、BIM全体の運営を行う人のことです。BIMマネージャーも当該プロジェクトにかかった人件費を補助金で賄うことができます。また、社内でBIMコーディネーターを選出できない場合は、委託することもできます。その場合、委託料は全て補助対象となります。

BIMマネージャーは、代表事業者から協力会社までのプロジェクト全体を管理する役割を担うため、BIM全体の運営にあたる部分の人件費が補助金対象になります。

 

6. BIM講習の実施費用

講習にかかる費用を賄う

BIMを一から自社の仕様に合わせてシステム構築することは可能なのか?

結論から言いますと、プロジェクトを進行させながらBIMシステムを独自の方法で構築させるのは効率面や維持管理の観点からおすすめはしません。

また、BIM設計システムは、社内だけで完結させてしまってはあまり意味がありません。設計事務所であれば、外注先や施工業者とも同じシステムの上でBIM環境を構築することでBIMの高い効果を享受することができます。

この社内外を取り巻く包括的なシステムを作るにはかなりの労力と資金が必要になりますので、すでにBIMを教えている専門業者に講習を依頼することが社内実働への近道になります。

代表事業者が建築BIMを利用する習熟度向上のための講習会を従業員に提供する場合、以下の経費が補助対象となります。

 

  • 講師謝金(講師の人件費を含む)
  • 会場費
  • デキスト印開発
  • 機器レンタル費など
  • 代表事業者が講習会の実施を他者に委託した場合は、その委託料

 

ただし、補助対象のプロジェクトで使用しないB1Mソフトウェアの講習会に参加した場合は、受講料は補助されません。参加者オープンの講習会に参加する場合には、代表事業者が承認した講習会の受講料が補助対象となります。

 

7. BIMモデラーの人件費

BIMモデルの作成と編集する人材の人件費を賄う

BIMモデラーは、建築BIMモデルの作成・編集を行う人であり、施工BIMにおいてBIMマネジャーの作業を支援する人のことです。実際にBIMのモデリング作業をする人の人件費も補助対象になります。

ただし、残念ながら施工BIMにおいて作業する場合のみ補助対象になりますので、設計BIMのみの作業は補助対象外です。

 

まずは事業者登録を! BIM加速化補助金取得のための具体的なアクションプラン

 

まず、gBizIDを取得してください。登録には2~3週間かかる可能性があるため、まだ取得していない場合はすぐに登録することをお勧めします。

代表事業者登録の締め切りは、令和5年3月31日です!!

gBizIDがあれば、Web上でjGrantsに登録することができ、交付申請へ進むことができます。

参照:建築BIM加速化事業実施支援室 https://bim-shien.jp/

詳しいjBizIDの取得方法はこちら↓

https://www.notion.so/BIM-bc8e13095c0a405591e0579bca134fba?pvs=4

 

最後に Vectorworks でBIMを検討中の方へ

BIM加速化事業補助金を獲得したいが、どのようにBIM導入を進めたら良いかわからない…という方も多いと思います。導入したは良いが、ソフトの使い方だけで手いっぱいになってしまっては、その後の社内の実働に結びつきません。

この機会にきちんと社内でBIM環境を整備するためにも、BIM導入サポート会社に相談することをお勧めします。

フローワークスは設計者が運営しているVectorworks 専用BIM導入サポート会社です。

建築の知識があるサポーターが、申請に必要なBIM講習や導入支援費用などの見積もり、アドバイス等申請支援を行います。お気軽にお問い合わせください。

フローワークス合同会社

https://flowworks.jp/news/bimacceleration-subsidy/

 

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