住宅の床材選び方と付き合い方/無垢の床編

近年、様々な床材が存在しています。ウッドフローリングだけでも無垢の床や、無垢の床の風合いを残して欠点を補っている複合フローリング。また、プリント技術の向上により、本物と見分けがつかない木目をプリントしたウッドフローリングも存在します。
空間のイメージ造りの主役といってもいい床についてここでは第一弾無垢の床について、完全に私目線ですがお伝えしたいと思います。

1:無垢の床、なぜ高いの?

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私は、無垢の床が大好きです。お客様に聞かれても、迷わず好きと答えます。
無垢の床が醸し出す独特の風合い、深みは格別です。しかし。。。高い。。。
お客様にも通常の複合フローリングとの金額の差を提示すると驚かれます。なぜそんなに高いのか。大きく分けて三つ理由があります。一つ目は、基材に合板や集成材などを使用している複合フローリングと違い名前の通り全て表面の化粧面と同じ木だからです。

二つ目は、施工による理由です。フローリングの通常サイズ約90センチ×180センチに比べ9センチ×180センチ等、サイズが圧倒的に小さくなります。(サイズは例えです)そのため施工する手間がかかるため値段が高くなりやすいのです。

最後は塗装費です。長く無垢の床と付き合うためには、ウレタン塗装や自然塗料の塗装をおすすめしているところが多いです。私ももちろんおすすめします。販売時すでに塗装されているものもありますが、無塗装の場合は後に必要な費用となるため、私は塗装費も合わせてお客様へ値段提示しています。

2:無垢の床との付き合い方

床は家具等と違い、汚れや傷が常に起きやすいものです。
そのため私が無垢材を採用されるお客様にいつもお伝えしているのが「この床、生きていると思って長い目、大きな心で接してあげて下さい。」
というのも、無垢材の床は当然ですが木そのものです。樹種によって違いはありますが、他の床と比べ傷がつきやすく、温度、湿度で伸縮もしますし、太陽光や照明によって色が年々変わってきます。綺麗で新品のように美しさを保つ事が一番難しい材料です。

物を落とせば素直に凹みます。ジュースをこぼせばシミになります。つまり私がお伝えしたいのは、その傷やシミを生活の思い出の一つ一つとして付き合ってほしいと いう事です。
お客様にはぜひ「この傷、あなたが小さい時におもちゃを落とした傷だよねぇ」というように付き合って頂きたいです。

3:永く付き合うために知っておきたい事

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・無塗装のまま使用するのではなく、ウレタン塗装や自然塗料の塗装を施す
→床へのシミを軽減してくれます。

・水気のものはすぐに拭き取る
→床材の伸縮の原因になり、反ったり隙間を生むので例えこぼしたとしてもすぐ拭き取りましょう

・家具の脚裏にキズ防止のフェルトシート
ダイニングの椅子の脚や机の脚の裏へキズ防止のシールを施工しましょう。
また、クッション性があるシールのため年々劣化します。数年に一度貼り直しましょう。

・ラグを活用
小さなお子様がいらっしゃるお家などは、つねにキズと汚れが絶えません。
お子様の遊びスペースや食事スペースにはラグやシートなどでカバーしてらっしゃる方が多いです。

・必ず各々のお手入れ方法を確認
樹種や施工する塗装などによりお手入れ方法は異なります。
長く付き合うために、お手入れ方法は必ず各々の販売会社へ確認をしましょう。

4:無垢の床材と付き合う注意事項!?

せっかく気に入って採用した無垢の床材。無垢の床材のマイナスポイントもまた、その樹種のキャラクターです。
お客様が楽しく無垢の床と付き合っていけるようにこのキャラクターを知って頂きましょう。

樹種によって違いはありますが、水気やキズ、乾燥により床がささくれ立つ事があります。
これによりストッキングを伝染させたり、ひどい時は足を怪我することも。。。また、色が濃い樹種だと靴下等に色が付いてしまう事もあります。以上の事を防ぐために塗装を事前に施すか、ささくれに関しては見つけたらヤスリで磨くなど対処の方法を事前にお客様へお伝えしましょう。

また、日焼けにも一言注意が必要です。引越しが終わって一度配置された家具はなかなか移動することはありません。その後数年後に家具を移動した際、床の色が全く違って
びっくりするということはよくあります。しかし、色が違っても、その部分をしばらく他の箇所と同じく太陽に照らしておくと日焼けは追いつき、日焼けの違いはほぼ目立たなくなります。これも無垢の床との付き合い方なので、一言お客様にお伝えしておく事を オススメします。

ABOUTこの記事をかいた人

medium KAIさん
香港在住。10年間イリアデザイナーとして、プランの相談から使用素材の選定、照明計画までを担当。
STUDIOUNBUILTプロフィールページ

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