クールジャパン!「和室」と和のインテリアアイテム

現在「和室」と言えば一般的に「畳」や「障子」「襖」・・「床の間」等で構成された部屋の事を言い、海外でも高く評価されていますが、残念な事に現在、日本人の生活空間からは消えつつあります。

「和室」の歴史

平安時代 日本独自の文化が花開いた頃、貴族たちは丸柱で構成された大きな空間を建具や屏風・衝立・御簾等で仕切り、座具や調度を並べて暮らしていました。

やがて柱や建具の変化と共に、角柱の間に建具が固定され空間が細かく分けられると、小さな部屋には畳が一面に敷かれ、客間には主人の持つ舶来の高価な品々(唐物)が飾られました(座敷飾り)

室町時代 上流社会の間でこの座敷飾りが発展するにつれて、「付書院」等と共に唐物を美しく飾る為の装置「違い棚」と「押板」(床の間の起源の一つ)が室内の一部に作り付
けられるようになります。

この「書院造」は、戦国時代にかけて一部の支配者層から華美な権力の象徴とされ発展しましたが、江戸時代の質素倹約の風潮で簡素化し、技術の発展により構成部材が規格化されていきます。
また 庶民の生活や経済力が向上した事で農家や町屋に住む人々の住空間にも取り入れられるようになり、現在の「和室」へと受け継がれてきました。

和のインテリアアイテム

<畳>

クッション性に優れ吸音効果があり、夏には肌触りが良く冬には保温性を発揮する和のインテリアアイテムです。最近は洋室にも敷かれるようになりました。

<襖>

断熱性があり、障子は外からの光を和らげ室内全体を均等に明るくしてくれます。
これらの建具は、組子や襖紙・引手を自由に変える事で簡単に部屋のイメージを変える事のできる優れたアイテムです。

<床の間>

古くから調度品の飾り方に細かな決まりがありますが、形状や素材は自由な発想で作られてきました。
1年を通して様々な飾りつけがなされ、「違い棚」と共に室内を無限に演出する最大の舞台装置と言えます。

現在「床の間」の無い家が増えましたが、ぜひ和室・洋室にかかわらず「置床」等を用いて、室内を豊かに飾り生活に彩を添えてみてはいかがでしょうか。

日本の四季と「和室」

日本の住宅では、季節毎に建具や敷物等を変える習慣があります
冬は襖や障子で仕切られ絨毯が敷かれていた室内は、夏になると簀戸や御簾で間仕切られ網代や籐が敷かれました。

また 古来より儀式や暦を通した様々な行事で、室内を飾り付ける風習がありました。
正月の飾り お雛様 端午の節句 盆飾り 仲秋の月見等、日本人の暮らしの中で喜びや祈りの想いが様々な形となって室内を飾ってきたのです。

四季の変化や行事、暦にそって美しく移り変わる空間こそがクールジャパン「和室」の最大の魅力と言えます。この魅力に現代の技術と新しい発想を加え未来の住まいに繋げていきたいものです。

 

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medium Plan&Planさん
兵庫県神戸市在住の インテリアコーディネーター及びインテリアプランナーです。
快適で素敵な空間作りのお手伝いをいたします。
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