効果的なキッチンの収納スペースづくり

家をデザインする際、お客様の要望上位に入るのが、収納とキッチンのレイアウトです。 限られたスペースをいかに効率良く使うか。今までのお客様との打ち合わせを基に お伝えします。

 

収納する物のサイズと家事動線を把握する

収納スペースを考える上で、収納する物のサイズを事前に測ることは大事なことです。キッチン収納は、収納する物のサイズが把握しやすいものです。私自身お客様と打ち合わせする際、 そのお客様の今現在の住まいを把握するために、まず次の二つのサイズをお客様へお聞きします。「家電」と「食料品」です。

また家電を「日常的に使うもの」と「滅多に使わないもの」に分けて 頂きます。

例えば「日常的に使うもの」は炊飯器やトースター、電子レンジ、瞬間湯沸かし器などです。「滅多に使わないもの」であればホットプレートやたこ焼きプレート等でしょうか。

家電を一通りお聞きしたら「食料品」も2パターンに分けて頂きます。

「奥行き30センチの棚に収納で きるか否か」です。奥行き30センチ以内に収納可能なものとしては加工食品やお米のストック、お皿、 ゴミ袋のストックや調味料関係です。

そして忘れてはいけないのが、お米のストック方法。日本人のご家庭の場合、ほとんどのご家庭が毎日ご飯を炊くと思います。そのお米のストック方法は 各ご家庭で様々です。

お米は重いですし収納する際、意外と場所を取ります。毎日出し入れする物なので、収納方法、 収納場所を考慮することは必須です。

一通り収納物を把握したら、最後に家事動線についてお聞きします。
ここで大事なことは、朝と夜の生活動線を尋ねることです。朝と夜とではキッチン廻りの動線が全く異なる 方が多い為、ぜひ両方についてお話を伺うことをおすすめします。

おすすめ収納スペース!?

設計段階にてお客様のご要望を伺える場合 、必ずおすすめしているのが幅約90センチ、奥行き約45センチの天井までの 収納スペースを設計へ取り入れることです。

この収納スペースがあると、奥行き30センチの棚を 設置することができる為、先ほどのリスト「食料品」のストックや調味料のストック、足元には重さがあるお米 などが収まります。また、毎日使わない家電なども収納可能です。

このスペースとカップボードが設置出来れば、キッチン廻りで日常的に必要なものは 収納可能だと思います。

この収納スペースに、収納物を隠すための扉を設ける事を希望する 方が多いと思います。しかし、カーテンやロールスクリーンなどで目隠しをつければ、 扉用の足元のレールがなくなる為、収納品をワゴンにしまいそのワゴンをこのスペースへ 収納すれば、使用する時にだけワゴンを動かし使えるのでオススメです。

以外と少ないキッチン収納?!

お客様にとって、夢のマイホームですが、願いを全て叶えられないのも現実です。 設計上、収納スペースがお客様の要望箇所に設けられないことも多々あります。

このような時は、設計段階できちんとお伝えし、 その上で、どんな収納方法があるかを一緒に考えるようにしています。

物は増え続けるもので、収納する時は「その物に関連した箇所に収納しなければ」という 固定概念が生まれやすいものです。しかし、頭を柔軟にして考えると意外なところに収納スペース は生まれてきます。

大事なことは、今あるスペースにどのように収納するかです。 その上で、お客様にプラン上可能なスペースを把握してもらうことは、新しいお家に 満足して頂くためのステップだと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

medium AKIさん
香港在住。10年間インテリアデザイナーとして、プランの相談から使用素材の選定、照明計画までを担当。
STUDIOUNBUILTプロフィールページ

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