外構は場所の違いによって役割を持っています。
アプローチなら人を迎え入れ、門周りなら外へ向かっての顔になり、それぞれ植栽が与える影響が高い場所です。どちらも外と内をつなぐ役割を持ち、「公」と「私」でいうと、どちらかというと「公」の役割が高い場所ですが、それぞれの場所に相応しい計画方法があります。
今回はアプローチと門まわりについての植栽計画のコツをご紹介します。
アプローチ
アプローチは、敷地に足を踏み入れてから玄関のドアを開けるまでの間に人を歓迎する役割があります。
樹木を効果的に配置することで、この空間を演出することができます。
例えば、アプローチをS字にカーブさせることで距離を長くして、歩き進むに連れて景色が変化するように樹木を使い期待感や季節感をアプローチに与えます。
敷地に足を踏み入れたところではシンボルツリーに目線が行くように正面に植え、曲がりながらアイストップの樹木に目線がいくように配置します。
アプローチの際には下草を配置し、足元にも視線を向かわせることで季節感がさらに高まります。
また、狭いアプローチなら少し大きな樹木を玄関に被さるように植え、その斜め手前あたりに小さい樹木を置くと、遠近感が生まれ広く感じることができます。
門まわり
門まわりは住居の印象を決定づける顔としての役割があります。樹木は建物との調和や、街並みの景観も意識して配植するように心がけます。
また門や塀や玄関など無機質なものが多い門まわりの中に樹木を配置することで、外回りの印象が柔らかくなります。1㎡あれば樹高3mほどに成長する樹木を植えることができるので、計画するときには植栽スペースを見逃さないようにします。
塀を少し宅地側に寄せて道路から見える植栽スペースがあると街並みとして美しくなりますが、道路側に植えることができない場合は樹木を道路から見えるように、門の近くの庭側に植えると門と樹木が一体となって調和がとれます。
樹種選定も重要になってくる場所ですので、和風住宅であれば、マツやマキ、花木類のウメやサツキやシャクナゲで華やか季節感を演出するように、住宅のテイストにあった樹種選定をします。
次回は、個性ある庭をつくるために「テイスト別の庭」についての植栽計画についてお届けします。
植栽計画のコツ①「気勢とは」
植栽計画のコツ③ 「テイスト別の庭」
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gardenさん
外構設計施工会社にて営業、プラン作成、設計施工と 10年以上携わってきました。 |