海外で建築学講師を経験した建築家が教える、建築英語をマスターする際に重要な3つのこと

建築業界でも英語を話したい、英語を使って仕事がしたいと思っている人は多いと思います。今後日本国内での建築業界は縮小の一途をたどっていくことは自明です。海外のコンペティションに挑戦したり、景気のよい国に仕事を求めたりすることが必要で、当たり前になるのではないでしょうか?海外の大学で建築学の講師をしていた筆者が自身の建築英語力の向上に有効だった手段をご紹介します。

海外で働く前、私の英語力は決して高いものではありませんでした。TOEICではそれなりの点数がとれるものの、話すこととなると、たどたどしい会話になってしまっていました。日本人は、文法や英単語はある程度知識として蓄えているはずなのに、話せない方が多いのが現状です。しかし、私が海外滞在中、帰国後に感じた効果的で重要なことは以下のたった3つです。

(1)文法、単語は中学レベルまでを完璧にしておく
(2)建築英語を話す/聞く機会をつくる
(3)声を大きく話す

この3つだけで海外の建築現場では、ある程度通用します。それでは、今からそれぞれの内容を見ていきましょう。

(1)文法、単語は中学レベルまでを完璧にしておく

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これは、一般的な英語教育の記事にも記載してあることですが、まずは中学レベルの英語を完璧にしてください。オフィスの中で建築家同士の難しい議論はできませんが、建設現場では中学英語までマスターしていたら十分に現場監理を行うことができます。中学英語をマスターせずに難しい文法を使いたがる方がいますが、まずシンプルに伝わることが重要です。ただし、円滑な現場監理には、少しだけ建築学の英単語を知っておくことも必要です。その際筆者が使用し、効果的であったおすすめの教材を紹介します。

 

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「建築バイリンガルノート」 堀池 秀人(著)

海外建築ビジネス環境や専門英語5800語を収録した用語集で、基本的な建築英単語が分野ごとにまとまっています。意匠系の単語も豊富で建築家にとって設計趣旨やプレゼン資料を制作する時にも役に立ちます。巻末にある索引も非常に便利でした。

 

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「ひと目でわかる 建築現場の英単語」
高橋 奈々 (著), 二宮 友佳子 (著), 及川 政志 (編集)

建築現場の英単語が豊富な書籍です。イラストや図解が多く、現場で指差し確認する際にも有効でした。

専門単語は書籍をうまく利用して、まずは、建築英語の勉強を始めてみることが重要かもしれません。

(2)建築英語を話す/聞く機会をつくる

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日本では英語を使う機会は多くありません。ましてや、日本国内で建築の設計監理業務を行っているだけでは、英語の使用頻度は皆無と言ってもいいでしょう。しかし、筆者の経験上覚えた建築の単語や文法も使用しなければ使いこなせません。逆を言えば、使用すれば使用した分だけ、自分のものにできます。また、海外の建築現場で聞いた生きた言葉は意外と忘れないものです。とは言ってもなかなか建築英語を使用する機会を作るのは難しいかもしれません。そこで、おすすめのサイトが以下です。

①cuorsera
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https://www.coursera.org/

このサイトは、無料登録をすると、世界中の有名大学の講義(映像)が無料で視聴できます。さらにその際、字幕の種類も選択できるので講師の言っていることが聞き取れなくても安心ですし、難解な建築単語や言い回しも学習することができます。一時停止や繰り返しの視聴も可能なので、自身のペースで理解できます。筆者も多くの建築学の言い回しをcuorseraの講義から習得しました。

②DMM英会話
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http://eikaiwa.dmm.com/

現在、数多くあるスカイプ英会話ですが、筆者が海外滞在中に数多く試し、最も有益だったのが、このDMM英会話です。多くのスカイプ英会話が英語学習選任のフィリピン講師で行われていますが、DMM英会話はヨーロッパの登録講師が多く、その多くが英語選任ではありません。そう聞くと英語の学習に不安がよぎりそうですが、裏を返せば講師それぞれが自身の専門分野を持っています。プロフィールで建築学専攻や設計事務所勤務の方も見つけることができ、彼らを選択すれば生きた建築英語で会話することができます。筆者はこのサイトで建築単語の語彙も飛躍的に伸びました。
さて、「建築英語をマスターする際に重要な3つのこと」の最後は以下です。

(3)声を大きく話す

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外国の方に自身の英語を聞き返されて自信を無くし、話せなくなったことはありませんか?実は、日本人の英語が聞き返される場合の多くは単純に声が小さいことが原因です。英語を話した機会の少ない日本人はいざ話すときに自信がなく、声が小さくなってしまう方が多いようです。ほとんどの場合、あなたの英語は通じます。是非自信を持って大きな声ではっきり話してみてください。間違っていても相手はしっかり聞いてくれます。1番簡単で効果的な方法はこの項目かもしれません。

さて、「建築英語をマスターする際に重要な3つのこと」はいかがだったでしょうか?是非こちらの記事を参考に、国際的に建築を考える方が増えていただければと思います。


ABOUTこの記事をかいた人

medium 1-1Architects  神谷勇机
1-1 Architects(イチノイチ アーキテクツ)は、神谷勇机と石川翔一による愛知県刈谷市の一級建築士事務所です。東海地区を中心に国内外を問わず、住宅設計や店舗設計、 リノベーションなど幅広いデザイン業務を行っております。
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