健康長寿になるためのリフォーム講座(基本編)

健康なままで長生きしたい

近年、優れた医療技術や介護制度などの恩恵などにより、世界一の長寿国となっている日本。しかし、年齢を取ってくると、足腰が弱ってきたり、病気がちになったり、さらに進むと寝たきりになってしまう人もいます。病気や寝たきりで長生きしてもただ辛いだけです。 厚生労働省の研究によると、健康な生活を送れている平均年齢が、おおよそ男性が70歳まで、女性が74歳まで。その後、男性が約9年間、女性が約13年間、何らかの病気や障害を抱えたまま、残りの人生を送っているのです。
健康寿命をできるだけ長くして生きていくのが、本当の意味での長寿といえるのではないでしょうか。いかに健康寿命をのばしていけるか、そんなリフォームを考えてみましょう。

日本の家は「冬を要と」するべき!

日本の死亡者数は、家庭内の事故で亡くなる方が、実は、交通事故死よりも多いことをご存じでしょうか。厚生労働省の統計調査によると、交通事故の約2.4倍の人たちが家庭内で亡くなっているのです。家庭内事故にも段差躓き、転倒など色々ありますが、一番多いのがヒートショックによる死亡事故です。このヒートショックは高齢者のみならず、若い方でも高血圧や心臓が弱いなどの症状を持っている方において動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの大きな原因になっています。 室温が10℃低く変化する場合、40歳を境目に血圧が大きく変化するという研究結果もあります。 そして、日本の場合はヒートショックの多くは冬場に多く発生しますので、リフォーム計画をするときには「冬場に快適にすごせるように!」をお客様にご提案するときに一番重点を置きます。

恐ろしいヒートショック!

冬場によく暖房が効いたリビングから寒いトイレに行くと、体がブルブルと震えたことがありませんか? あれは、急激な室温の変化から体を震わせて、熱を作り出しているのです。また、血管を収縮することによって、体から熱が逃げないようにもしています。血管が収縮すると、血流が滞り血圧が高くなります。このように、あたたかいところから寒いところに移動することにより、温度の急激な変化によって血圧が大きく変動することを「ヒートショック」と呼んでいます。血圧の大きな変動は、心筋梗塞、脳梗塞、不整脈などを起こし、入浴時では失神して溺死するケースがあります。

健康維持住宅リフォームの提案に必要なのは?

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図ような温度差のバリアフリーの改善を忘れてはいけません。
バリアフリーとは高齢者や肢体に障害をお持ちの方々が生活するに段差を解消したりする事に注目される人が多いはずです。「暖差解消」つまり室温のバリアフリーを行う事が健康維持のために重要になってきます。近年の新築住宅はこの暖差解消をほぼ解決した住宅が増えておりますが、リフォームにおきましては「暖差解消」を風呂・洗面のみにしている方々が多いのではないでしょうか?ユーザー様はTVや雑誌で新築の事はある程度、情報として入手しておりますが、リフォームにおいては素人の方々が殆どだと思います。私たちはプロですので、見落としがちな「暖差解消」をユーザー様に提案することで「私たちの体の事まで考えて頂いて!」とより親密な関係が出来ると思いますがいかがでしょうか?


ABOUTこの記事をかいた人

medium CraftWorks風の谷さん
住宅設計施工管理に25年程の実務経験をもつ建築家。中でもリノベーションにおいては、現在も含め数多く手掛けています。
STUDIOUNBUILTプロフィールページ

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